タジンの中に雑多に入れられた様々な野菜。
素材同士がお互い出し合う旨味で
フォークを口に運ぶ度に違う味わいがある。
ちょっと量が多く見えた鍋の中も
胃にすーっと溶け込む 優しい食材で
たくさん食べても 良いあんばいの 腹八分目。
とあるお店で出された 野菜たっぷりのタジンは、
「おなかいっぱい」という感覚になるぎりぎりのところで
ちゃんとそれぞれの野菜の旨味や触感を
思い出せるようなものだった。
先日行った
蓮沼執太フィル・ニューイヤーコンサートは
その時のタジンを思い出させられる
良質な素材を シンプルにかけあわせた素敵なライブ。
編成を見て、
ダブルドラムやスチールパンからヴァイオリンまで…
様々な楽器の集まりで数多なものをイメージしていたが
実際はとてもシンプルで
すーっと入ってくるような かけあわせ。
終始、満腹になる少し手前の心でライブを楽しめて
その時に耳に入ってくる音を味わいながらも
次の音の重なりを期待させるもの。
ライブ後も、
どっぷりと音と世界観から抜けられない程の満腹感ではなく、
なんとなく印象的な曲のフレーズをリフレインしながら
足取り軽やかに帰りたくなる気分。
新年最初のライブにちょうど良い
バランスが素敵で 最高に気持ちよかったライブ。