この窓から差し込むひかりから 記憶がよみがえった。
最近、また自分の中で「記憶」という言葉に
マーカーが引かれている。
そんなキーワードに重なる作品を
タイミング良くみることが出来た。
Orbitで行われた
POAWのパフォーマンス。
スライド、映像、サウンド、ポエトリーリーディングなどを
組み合わせて行われるそのパフォーマンスは、
初めて見るような様式で、新鮮だった。
白い布のスクリーンに映し出される様々な写真と映像に
アンビエントとデジタルな音、そして掻き消されそうな声が時々重なる。
規則があるようで無く 左右に不規則に映し出され、
関連性をすんなりとは見させてくれない。
写真の被写体はいつの時代か分からない
何かも どこかも分からないような曖昧な写真。
ただ、そこには私の記憶を触発する光があり、
物体としてではなく 光から得られる記憶の輪郭が
走馬灯のように頭の中で
それらの写真と映像と音にのって回っていた。
そこに写る光自体が 被写体である。
記憶とは、頭のどこから呼び出されてくるのだろう。
よく香りとともに強く残るといわれるが、
香りが間接的に呼び出す記憶のように、
この写真に写る光とその量、または光が描くシルエットが
自分の中にあるその同じような光の記憶を触発する。
光によって触れられた記憶は
日向の温度のように優しく
木陰の揺れる葉の陰のようにぼんやりとよみがえる。
素敵な作品を見れたことに 感謝。
POAW
http://www.myspace.com/partsofaworld