久しぶりにスチールパンのライブへ。
場所は三軒茶屋の某ビルの最上階にあるカフェ、
a-bridgeへ。
三軒茶屋からお台場レインボーブリッジが見えるという、奇跡。ちょうど良い広さと照明と食事の 雰囲気の素敵なカフェ。
演奏するのは、私がスチールパンと感動の再会をしたきっかけとなった スチールパンプレイヤー
伊沢陽一。
ライブの時間になると、待っていたかのように雨が降り出した。土砂降りの雨ではなく、スチールパンの音色と合わせたかのようなポツポツと降る雨。
スチールパンといえば南国なイメージが主流だが、今夜の音は雨が似合う気がする。
何曲目かでスチールパンの為に作られたという曲『rain drop』が演奏される。
スチールパンを叩く伊沢さんの背にある大きな窓からは 本物のレインドロップ。そしてレインボーブリッジやビルの灯がスパンコールのように橙色にきらめく。
その窓の景色と音色が一つの画として綺麗で、とても気持ち良い。
雨の日に庭のバケツやプランターに雨が当たり、リズミカルに音を奏でている光景が浮かんだ。雨一粒一粒 全てに音がついていたら素敵なのに。
落ちる場所や早さや雫の大きさによって音域が変わり、一斉に降る雫が和音を奏でて…。どんな曲になるのかな。
そうしたら雨が嫌いな私も、きっと長靴ではなく裸足で外に出てしまうだろう。
…そんな想像をしながら演奏を聞き、日頃の固くなった心が解かれて優しくなっていく。
ライブ後、伊沢さんが仕事で行かれた小笠原の話を。
2006年現在、東京の都の一部でありながら、そこだけ過去のような、自然に溢れた島。人が温かい島。小笠原民謡がそれを表している。
車に五分乗るだけで酔うような私が、25時間の航海に耐えれる日が来るかは分からないが、いつか絶対行ってみたい場所。
音楽でリセットされた 素敵な時間。