「食べられないジャムを作りました。」
先日、オーダーメイドアクセを注文してくれた友人から
突然 ドイツのWECKの瓶いっぱいに詰められた
ボタンやリボン、ドライの実、ビーズが届いた。
どのピースも私好みの珍しいもので、
これだけの種類のものを集める過程を考えると
胸がいっぱいになる。
添えてあった木のスプーンに結んだリボンに書かれていた
メッセージの言葉選びも、さすが物書き。
いつも手に本を一冊だけ持って 手ぶらで すっ とあらわれる
黒猫のような彼女の姿が鮮明に浮かんだ。
一年に数回しか会わないのに、
何故か日々の暮らしの中で ふと思い出すことが多い存在の彼女。
会う度に会話の中で沢山の温かい言葉を私にプレゼントしてくれて、
その言葉が些細なことに止まってしまったときに気持ちの支えとなったり
とても大切な位置にある。
いつも与えてもらってばかりなのに、また一つ 貰ってしまった。
突然の贈り物って 何故こんなに嬉しいんだろう。
きっとオートクチュールの洋服や、職人による工芸のように
その過程の 一つ一つをゆっくりと想像するからかもしれない。
贈るものを選ぶこと以外にも 包んだり配送伝票を書いたり、と
電話やメールよりも 工程が少し多い分
気持ちの温度が細かく伝わってくる気がする。
最近、忙しくてなかなか会えていない友人から
何でもない日に ふと突然荷物や手紙が送られてくることが多く、
感謝の気持ちでいっぱい。
慌ただしくて固くなった心を 一気にやわらげてくれる
絶妙なタイミングで届くそれらのものを見ると、
電波を超える 人の心の伝搬があることを感じる。
そして圏外のないその伝心機能に本当に助けられている。
「食べられないジャム」の贈り物は、
その甘さで私の血糖値をだいぶ上げてくれた。
また疲れた日にはこれを出してこよう。
いつもありがとう、Elsa。